耳の中の石のことを耳石(じせき)と言い、めまいの原因になることがあります。
普通のめまいなら、そのまま放っておくだけでも回復していきます。
しかし、耳石が原因の場合はめまいが続いてしまうので、注意が必要です。
今回は、耳の中の石が原因のめまいと、その治療法について、詳しく紹介していきたいと思います。
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耳石が原因で起こるめまいのメカニズム
私たちの耳は、音を聞く働きだけではなく、体のバランスを保つという重要な働きがあります。
そのため、耳に異常が起きるとめまいが生じてしまうことがあるのです。
その耳の異常のひとつに耳の石が原因のめまいがあります。
◯良性発作性頭位めまい症(BPPV)
内耳の前庭という所にある耳石が衝撃や老化によって剥がれてしまうことが原因で発症します。
剥がれた耳石が体のバランスを感知する三半規管に入り込み、めまいが起こります。
普通、体が前後左右に動くと、三半規管にある感覚毛が揺れて脳に情報が伝わります。
ところが、そこに耳石が入ってしまうと、体が動いていなくても感覚毛が刺激され誤作動が起こります。
それが良性発作性頭位めまい症のメカニズムです。
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寝返りで耳石を粉々にする治療法
1分以内のめまいで、症状がめまいだけの場合、耳石によるめまいと考えられます。
めまいの原因が耳石の場合、安静にして耳石を動かさなければめまいも治りますので、まずは安静にして様子をみましょう。
もし痺れや麻痺など他の症状も見られる場合は、他の病気の可能性もあるため、直ちに病院に行く必要があります。
安静にしても症状が改善にしない場合は、病院で耳石を取り出す治療を行うのが一般的です。
しかし、自宅でも治せる方法がありますので紹介いたしますね。
◯なぜめまいが発生するか
耳石は日々新陳代謝を繰り返し、サラサラした粉のように剥がれ落ちています。
ここがポイントです。
耳石は正常な状態でも新陳代謝によって剥がれ落ちているのです。
その小さい耳石が三半規管に入り込んだとしても、耳石が小さいため感覚毛が反応しません。
ところが、サラサラした耳石が同じ場所に長時間にわたって留まってしまうと大きな塊になることがあります。
そうすると、感覚毛が反応してめまいが生じます。
◯耳石を自宅で取り除く方法
耳石が塊になってしまう場合、
- 長時間同じ姿勢を保ったり
- 寝ていて動かないこと
が原因になることが多いです。
つまり、耳石を大きな塊にしないために、寝返りをして耳石を粉々にすればいいのです。
寝転がって天井を見て10秒、体を右に向けて10秒、左に向けて10秒と、これだけで耳石を細かくすることが可能です。
これを毎日10セット続ければ、めまいの治療や予防が期待できます。
この寝返り運動で、患者さんの7割〜8割に効果があったという報告もあります。
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枕を高くして耳石をブロックする予防法
自宅でできるもうひとつの方法として、耳石が三半規管に入り込まないようにしてめまいを予防する方法があります。
先にも紹介しましたが、就寝中じっとしていることで耳石が塊になってしまいます。
それを予防するためにも、耳石が三半規管に入り込まないような姿勢で寝ることが大切です。
◯寝る時の枕の選び方
どうしても枕が高いのが苦手な人は、枕を使わないで寝たり、低めの枕を使っている人もいると思います。
しかし、枕を使わないで寝ると、実は耳石が三半規管に入り込みやすい状態になってしまうのです。
枕を高くして三半規管に耳石が入りにくい状態を作りましょう。
激しいめまいに悩まされていた人も、高めの枕を使い始めて1週間ほどで症状が改善されたという事例もあります。
まとめ
耳は、音を聞くだけでなく体のバランスを保つ重要な働きがあります。
耳石が三半規管に入り込み、大きな塊となって三半規管内を刺激するとめまいが起こります。
安静を保ち1分以内に治まるめまいの場合は耳石が原因と考えられます。
その場合、自宅でも治療や予防が可能です。
寝返り運動で耳石の塊を小さくしたり、枕を高くして耳石が三半規管に入り込まないようにすることが大切です。
めまいの原因が耳石でない場合は、他の病気が考えられます。
その場合は、安易に自己判断せずに直ちに病院の診察を受けましょう。
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