脳梗塞には代表的な前兆があり、症状に早期に気が付くことが非常に重要です。
なぜなら、脳梗塞は、発症すると約14%の人が命を落としてしまう、危険な病気だからです。
もし前兆が見られた時の対処が遅れてしまうと、
- 後遺症が残ってしまう
- 命を落としてしまう
ということにもつながります。
最悪の事態を招かないように、脳梗塞の症状と前兆を知っておきましょう。
[quads id=1]
脳梗塞にはどんな前兆があるの?
脳梗塞には「一過性脳虚血発作」という前兆がありますが、実感した、経験したと答えているのは、患者の4分の1程度しかいません。
実際に、前兆がない場合もありますが、気が付かなかった人もいます。
前兆の発作は、多くの場合は15~30分、長くても24時間で消えてしまうため、気が付きにくいにくいのです。
◯発作後は特に注意して
一過性の症状のため、それほど問題にしないこともよくありますが、一度発作が起こると脳梗塞の可能性は高くなります。
前兆の発作が起こった人のおよそ20%は、3か月以内に脳梗塞を発症します。
中には、一週間以内に発症するケースもあります。
前兆は、脳梗塞を予防する最後のタイミングですので、見逃さないことがとても大切です。
それでは、実際に脳梗塞の前兆の様々なパターンをご紹介します。
◯体調の変化、手足、運動機能の異変
自覚症状としても感じやすいのは、めまいや頭痛、足や手の違和感です。
- 片方の手足がしびれて、力が入らない
- 急に手の力が抜けて、持っていたものを落とす
- 頭痛、めまい
- ふらふらして、真っ直ぐに歩けない
- 力はあるのに、歩くこと、立っておくことができない
- 思ったように字が書けない
- 顔の片側がしびれて、ゆがむ
- 口を上手く閉じることができない
◯目、視覚の違和感
脳梗塞の前兆は、目にも表れます。
目の疲れだと勘違いすることもあるので、うっかり見落とすことがよくあります。
- 物が二重、三重に見える
- 片側の目だけ、カーテンがかかったようになり、一時的に見えなくなる
- 片側のものに気が付かず、ものにぶつかる
- 視野が一部分だけ欠ける、狭くなる
- 焦点があわない
この、前兆の中で、片側の目だけにカーテンがかかったようになる症状を「一過性黒内障」といい、特に注意が必要です。
「一過性黒内障」は、強い動脈硬化が起こっていて、血栓が剥がれて、目の動脈に流れてくるために起こります。
10分以内に症状は回復するので、今すぐに病院に行く必要はありませんし、病院につく頃には症状はなくなっていることがほとんどです。
でも、脳梗塞の典型的な症状になるので、一度、病院を受診し、医師の診断を受けてください。
◯言語活動に症状がでる
- 言いたいのに、言葉が出ない、「物忘れ」に似た症状が増える
- ろれつが回らない
- 口の動きが上手くいかない
- 言い間違え、意味の分からない言葉がでる
◯理解力が下がる
- 人の言っていることの意味が分からない、理解ができない
- 文章を読んでも理解することができない
前兆が起こってもすべての人が脳梗塞になるわけではありません。
でも、脳梗塞が起こってしまうと、脳の細胞は壊死を始め、ダメージが大きくなり、後遺症ものこりやすくなります。
前兆にいち早く気が付くことが必要なのです。
本人だけでなく、周りも異変に気が付いたら、教えてあげると、脳梗塞が予防できますね。
[quads id=2]
明らかな脳梗塞の前兆がなくても、注意すべきポイントがある!
脳梗塞の前兆の「一過性脳虚血発作」があれば、脳梗塞を疑うことができます。
しかし「一過性脳虚血発作」がなくても、脳梗塞の前兆として、何らかの症状が出る場合があります。
それらの症状を見逃さないことが、脳梗塞を重症化させない対策になります。
下のような症状も、脳梗塞の前兆となります。
少しでも、あてはまることがある場合は、念のため病院を受診してください。
◯体調の変化、手足の異変、不自由の症状がでる
- 突然、原因不明の頭痛、肩こりが起こる
- 1日中、耳鳴り、めまいがある
- 急な動悸、息切れが増える
- 痰が絡みやすくなり、むせることが多い
- 手足のしびれがよく起こる
- 段差がないのに、つまずく、こける、足が引っかかる
- 指先が上手く動かなくなる
- 以前に比べて、字が下手になった
- まれに、顔や口がしびれる
◯目の異変
- まれに、視野が急に狭くなる、掛ける
- 物が二重に見えることがある
◯理解力、記憶力の低下
- 相手が早口で話されると、理解ができない
- とっさに、簡単な計算ができない
- 記憶が飛ぶ
- 物忘れが増える
- 一瞬意識が飛ぶことがある
◯言語活動に症状がでる
- ろれつが回らなくなる
- 声が上手く出ず、かすれる
- 大きな声で話すと、息切れがする
◯食事の時に異変を感じる
- 食べ物、飲み物が飲み込みにくい
- 食べよう、飲もうとするとむせる、咳込む
◯精神的に不安定になる
- 急に気分がふさぎ、うつ状態になる
- 小さなことでも泣き出す
- 急に大声を出して笑いだすことがある
[quads id=3]
脳梗塞の初期症状をセルフチェックで確認しよう
脳梗塞の前兆には様々なものがあるので、本当に脳梗塞なのか、判断が難しいこともあります。
脳梗塞のセルフチェックができる方法「FASチェック」というものがあるので、確認してみましょう。
一つでも当てはまる場合は、すぐに病院に行くか、救急車を呼ぶ必要がある可能性もあります。
◯FACE:顔の麻痺の確認
「いー」と言いながら、口角をあげます。
どちらかの口角が上がっていない場合は、脳梗塞の前兆がある疑いがあります。
◯ARM:腕の麻痺
手のひらを上側にして、腕を真っ直ぐに伸ばし、両肩の高さまで上げます。
目をつぶったまま、約1分間、その状態が保てるか確認します。
どちらかの腕が下がっていたら、疑いありです。
◯SPEECH:言葉の異常
短い文章を使って確認します。
よく使われる文章が、「太郎が花子にりんごをあげた」です。
この文章を言ってもらい、
- ろれつが回らない
- 詰まる
- 内容がおかしい
という時は、注意が必要です。
すぐに救急車を呼ぶのは大げさだとしても、診療時間内なら迷わず病院に行ってください。
それほど、脳梗塞の治療、予防は時間との戦いなのです。
脳梗塞になった症状とは
脳梗塞は、脳の血管が狭くなりつかえて塞がってしまうため、脳に酸素に届かず脳の組織が部分的に死んでしまう病気です。
脳は死んでしまうと溶けてしまい、脳の機能がかなり落ちてしまいます。
そのため、回復がとても難しく、回復しても介護や助けがなければ生活ができないケースが多いです。
症状は、脳が壊死した部分によって違ってきます。
◯麻痺の症状が一番多い
脳梗塞の症状として、最も特徴的なのは麻痺です。
多くは片側の足、手などに麻痺が現れ、
- 上手に歩いたり
- 握ったり
- 書いたり
することができなくなります。
顔の半分に力が入らず、ゆがんだままになることもあります。
視覚、触覚などの感覚も麻痺してしまうため、視野が半分になってしまいます。
◯話すことが難しくなる
感覚が麻痺するだけでなく、今まで出来ていたことができなくなります。
その代表的なものが、話すことです。
言葉がスムーズに出てこなくなり、短く簡単な文章でも詰まってしまいます。
◯意識障害
記憶、認識の機能が低下します。
例えば、文字を見ても、それが何を示すか理解が難しくなります。
知人の顔を忘れたり、なかなか思い出せなかったり、認識できなくなります。
◯仕事を続けるのは大変
脳梗塞は7割程度の人が、身の回りのことは自分でできるようになります。
しかし、仕事を持っていた人が前の職場に復帰するのはとても大変で、時間もかかります。
介護や、助けが必要な場合もあるので、本人だけでなく、家族や周囲の生活に大きく影響を与えることも問題になる、怖い病気です。
[quads id=4]
まとめ
脳梗塞で、
- 顔面麻痺
- 言語障害
- 認識障害
などの最悪の事態を避けるようにするためには、どんな小さな前兆でも見逃さないことです。
何らかの前兆があったとしても、脳梗塞だと疑わない、また、そう思いたくない場合もあるかもしれません。
でも、脳梗塞は患者自身の生活だけでなく、家族や周囲の人の生活も大きく変えてしまう、危険な病気です。
前兆があった時には、脳梗塞が進行している可能性があり、脳梗塞は止まることはありません。
一刻を争うので、迷わず病院へ行ってくださいね。
◯脳梗塞の検査について詳しく!
脳梗塞の検査について、あらかじめ知っておくべき事柄をまとめました。
迷っている内に症状が悪化することないよう、事前に確認しておいてください。
[quads id=5]
[quads id=6]
コメント