日本人の死因で2番目に多いのが、心筋梗塞などの心疾患です。
また心筋梗塞などの病気は、生活習慣がその原因のほとんどを占めると言われています。
つまり日頃の食生活を改善し、生活習慣病対策をすることが、心筋梗塞の予防にもつながるのです。
では、具体的にどんな食べ物や栄養素が心筋梗塞の予防に効果があるのでしょうか?
今回は、心筋梗塞予防のために良い食べ物や栄養素、また反対に避けるべき食生活についてまとめました。
[quads id=1]
心筋梗塞の予防をするために栄養や食べ物に気をつける理由とは?
まず、心筋梗塞の予防をするために、なぜ食べ物に気をつけるべきかお話します。
心筋梗塞は、心臓の周囲を取り巻く冠動脈(心筋細胞に酸素や栄養といったエネルギーを送っている動脈)の一部が詰まり、心臓を構成している心筋が壊死してしまう病気です。
この冠動脈が詰まってしまう主な原因は、動脈硬化です。
- 血管の弾力性が失われてしまったり
- 流れる血液がドロドロだったり
すると、動脈が詰まりやすくなってしまい、最悪の場合は心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
心筋梗塞を予防するには
- 血管の内側にプラークや血栓のできにくい状態を維持すること
- 血液がサラサラで血流がスムーズであること
が必要なのです。
そのために、血液や血管の健康を保つために必要な栄養を、十分摂る必要があります。
[quads id=2]
心筋梗塞を予防する4つの主な栄養素と食べ物
それでは、心筋梗塞の予防効果が注目される栄養素を見ていきましょう。
- カルシウム
- カリウム
- 食物繊維
- オメガ3系脂肪酸(DHA、EPA)
心筋梗塞の予防に重要な栄養素4つのそれぞれの主な効果と、多く含まれる食材は以下の通りです。
1)カルシウム
心筋を動かすのに欠かせない成分。
血液中のカルシウムバランスが崩れると、結果、血栓ができやすくなってしまいます。
食材
牛乳、小魚、チーズ、ヨーグルト、大豆食品(納豆、豆腐など)、海藻類(ひじき、昆布、わかめなど)緑黄色野菜、切り干し大根
2)カリウム
ナトリウムと共に心筋を動かすサポートをし、心臓の働きを調整する役割を果たします。
不足すると不整脈や心停止などの症状を引き起こす可能性があります。
食材
バナナ、りんご、スイカ、ほうれん草、パセリ、トマト、大豆類、かぼちゃ、里いも、ジャガイモ、さつまいも、明日葉、モロヘイヤ、にんにく、のり、ナッツ類
3)食物繊維
食物繊維は健康維持のために様々な働きがあります。
- 便秘の解消
- 血中の悪玉コレステロールの比率を下げる
- 脂肪の吸収やカロリーの摂取を抑える
また最近の研究で、心筋梗塞の要因となる血管の炎症を抑えてくれる働きがあることが明らかになりました。
食材
海藻類(ひじき、昆布、わかめ、もずくなど)、こんにゃく、ごぼう、キノコ類、果物、緑黄色野菜、穀類、豆類
4)オメガ3系脂肪酸(DHA、EPA)
オメガ3系脂肪酸は、細胞膜やホルモンを作る原料となる必須脂肪酸の一種。
いわゆる青魚に多く含まれるDHAやEPAには、
- 血小板が集まるのを防ぐ
- 血液の粘りをやわらげてくれる
などの働きがあります。
つまり血栓が作られてしまったり、血液がドロドロという心筋梗塞の2大悪条件を防いでくれる働きがある、とても重要な栄養素なのです。
魚を食べる量が最も多いグループ(週8回:180g相当/日)と、最も少ないグループ(週1回:20g相当/日)を比較したところ、心筋梗塞を起こすリスクが約55%も低いというデータも発表されています。
魚を食べることが少ない方は、まずは週に2~3回は青魚を取り入れるように改善していきましょう。
食材
アジ、サバ、イワシ、さんま、鮭、マグロ、うなぎ、ブリ、ニシン、ハマチ
◯その他の栄養素
- ナットウキナーゼ(納豆など)
- カテキン(お茶類、カカオ、赤ワインなど)
これらの栄養素も、血液サラサラ効果や血栓の生成防止の効果があります。
合わせて意識的に摂るようにすると、より高い予防効果が期待できます。
[quads id=3]
避けるべき食生活とは
心筋梗塞を予防する食べ物について見てきましたが、反対に避けるべき食生活や、気を付けた方が良いポイントもあります。
以下を参考に、思い当たることがある方は、今日から改善するようにしましょう。
- カロリーや脂質の摂りすぎに注意し、肥満を解消する
- トランス脂肪酸(外食やファーストフードの揚げ物、スナック菓子などに多い)を避ける
- 塩分を摂りすぎない・アルコールはほどほどに
- 食事はゆっくり時間をかけて、腹八分目を心がける
- 夜10時以降の食事は避け、食べてすぐに寝ない
- 朝ごはんをきちんと食べる
食習慣をどのように気を付けたらよいのか?
先ほどご紹介した、DHA&EPAについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
→心筋梗塞リスクが55%低くなる食習慣とは?【魚嫌いなあなたも安心】
健康な体を守るために必要な栄養素として注目を浴びている、DHA&EPA。
正しい知識を持って、いつまでも健康な体を保ちたいですね。
まとめ
動脈硬化は老化現象の一つでもあるため、心筋梗塞と聞くと、年配の方に多い病気のようなイメージがあります。
しかし、近年は食生活の変化などによって、若年の方でも増加傾向にあるそうです。
日頃から和食を中心としたメニューで、青魚や緑黄色野菜、果物などをたっぷり摂りましょう。
しなやかな血管と血液サラサラの状態をキープして、心筋梗塞のリスクを低下させるようにしたいですね。
また食事だけでなく、
- 睡眠不足
- 運動不足
- 喫煙
- ストレス
なども、心筋梗塞の要因となります。
食生活と同時に、普段の生活習慣も見直して、心筋梗塞だけでなく生活習慣病の予防に努めましょう。
[quads id=5]
[quads id=6]
コメント