「卵の形は?」と言われたら、楕円形をイメージしますよね?
でも、よく考えたら、魚の卵が球体なのは、不思議に思いませんか?
どうして鳥類などの卵は楕円形なのか、言われてみれば疑問ですよね。
実は、鳥類が生き延びるために工夫した結果、楕円形の卵に進化していったと考えられています。
今回は、卵の形が楕円形である理由についてお伝えしますので、ぜひ子供にも教えてあげてくださいね。
[quads id=1]
鳥の卵が楕円形になった3つの理由
卵が楕円形になったのは、卵を産み、育てる環境が関係しています。
生物の世界で共通して言えることは、卵や子供は弱いので、守られなければ生きていけないということです。
鳥類は飛ぶことができる能力を利用して、外敵から卵やひなを守るために、高い木の上や、崖の上などに巣を作り、卵を産み育てていきます。
1)転がりにくくするため
高いところで育てていくことで、外敵から守ることはできますが、今度は、巣から卵が落ちてしまう危険性が出てきます。
ボールのような球体であれば、コロコロ転がってすぐに落ちてしまいますが、楕円形であれば、転がりにくく、もし転がっても、元の場所に戻りやすくなり、落ちにくくなるのです。
2)ひなが殻を割りやすいから
卵の丸くなった部分には、気室という、成長していくと大きくなる、空気が入った空間があります。
この部分は、尖った側より、殻が薄く割りやすいため、ひなは、これを目安にして、殻を割って出てきます。
3)卵を効率よく温めるため
鳥は高い場所、限られたスペースで卵を産み、温め、育てていきます。
育てる卵は1個ではなく、数個のこともあり、効率よくスペースを利用する必要があります。
卵が球体だと、中央部に無駄な隙間ができてしまいます。
片側だけが細くなっていれば、それを中心にして、花びらのように丸く並べて温めれば、隙間なく温めることができます。
[quads id=2]
転がりながら卵ができるために楕円形になる
生き残るための知恵として、楕円形の卵に進化してきたことが分かりましたね。
では、次に、鳥類の卵がどのような経緯を経て、楕円形に形作られていくのか見ていきましょう。
◯最初にできるのは卵黄と卵白
まず、成長の最初は、卵巣で卵黄(黄味の部分)ができます。
卵黄が卵管を通る時、周りを卵白(白身)で包まれ、その後、周りに卵殻膜が作られます。
この時は、まだ丸い球体をしています。
◯周りに殻ができあがる
最後に、卵殻膜にカルシウムが付いて、殻となり卵になります。
卵黄から卵になるまでに、約24時間、ほぼ1日かかりますが、この間、卵は卵管の中を転がりながら移動し、大きくなっていきます。
卵管を転がっていく間に、卵管を通りやすいように細くなり、自然に重心が偏った楕円形に形が整っていくのです。
[quads id=3]
まとめ
何気なく見ていた卵の形ですが、楕円形は進化の過程で生まれた、生き残るための知恵なのですね。
小さな卵の中に、進化の過程があったのだと思うと、何だか感心してしまいます。
家の近くで、よく燕の巣を見かけることがあるのですが、今度見かけたときには、また違った気持ちで応援したいなと思います。
[quads id=5]
[quads id=6]
コメント