毎日の食卓にあがることの多い卵料理。
色々な調理法で楽しめるうえに価格が比較的安定しているため、家計にもうれしい食材です。
しかし、O-157が流行した時のことを覚えていますか?
卵の殻についていた菌が原因で幼児が亡くなりました。
その時は、
- 卵の殻は洗って使うこと
- 生卵を食べること
を控えるように報道されました。
卵はよく食べる食材だけに、正しい知識を持っていないと、思わぬトラブルになりかねません。
今回は、卵についている菌について、また正しい保存法などについて紹介していきたいと思います。
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卵のサルモネラ菌、卵の中身や殻が格好の増殖場所!?
近年、欧米を中心に卵が原因の食中毒が多発しています。
日本においても、平成元年(1998年)頃から、卵が食中毒の発生件数の上位に入っています。
卵の食中毒で問題になっているのは、サルモネラ・エンテリティディスというサルモネラ菌のひとつです。
サルモネラ菌が卵を産む鶏の腸や卵巣にすみついて、卵の中身や殻が汚染されます。
◯サルモネラ菌はどうしても入り込んでしまうもの
卵の中身にまでサルモネラ菌に汚染されている卵をインエッグ(inEgg)と言い、卵1万個に2~3個ほどの割合で発見されます。
その卵の中にはサルモネラ菌が平均2個存在し、多い卵でも20個未満と言われています。
実は、これぐらいの菌の数では、食中毒を発症することはありません。
◯保存方法が大事
しかし、ここで注意が必要なのは、卵はそもそも栄養バランスに優れた食品であるということ。
保存方法を間違えると、サルモネラ菌にとって格好の増殖場所になってしまうということです。
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サルモネラ菌を増殖させないためのポイント
万が一、サルモネラ菌に汚染された卵でも、新鮮で割った直後の卵であれば、生で食べたとしても食中毒を発症する可能性は低いです。
サルモネラ菌を増殖させないポイントは以下の通りです。
○購入するときのポイント
卵の表示をよく確認して、産卵の日付や消費期限の新しいものを選ぶようにしましょう。
また、卵にひびが入っていないものを選ぶようにしましょう。
割れている部分から菌が中に入ってしまう可能性があるので、よく確認してください。
生や半熟で食べたい場合は、店でも低温で置かれているものがおすすめです。
直射日光が当たる場所に置かれている卵は避けましょう。
○保存をするときのポイント
家に持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫に入れるようにしましょう。
常温で放置してしまうと、菌がどんどん増殖してしまいます。
必ず10℃以下の冷蔵保存をするようにしましょう。
冷蔵庫から出したり入れたりすると、卵の表面に水滴が付きます。
卵の殻が濡れていると、殻についた菌が中に入りやすくなる、と言われています。
○料理するときや食べるときのポイント
割った卵はすぐに調理するようにしましょう。
割った殻も、放置せずにすぐにゴミ袋などの袋に入れ、他の食材と区別しましょう。
サルモネラ菌は75℃で1分以上加熱すれば死滅します。
加熱調理をする場合は、しっかり火を通すように心がけましょう。
半熟を楽しみたい場合は新鮮な卵を使い、調理したら2時間を目安にすぐに食べるようにしましょう。
自家製マヨネーズなどは、残さずにその時に食べきる量を作るようにしましょう。
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卵の殻は洗った方がいいの?洗わない方がいいの?
O-157が大流行したときに、卵は殻を洗ってから使うように報道されたことがありました。
しかし、実は卵の殻を洗うことによって、殻に付着していた菌が水と一緒に卵の内側にしみ込み、菌が中に入ってしまうことになります。
したがって、最近では、卵の殻は洗わない方がいいという見方が主流です。
クチクラという膜について
売られている卵は、専門的な方法で洗浄されてから出荷されています。
しかも、新鮮な卵の表面にはクチクラという膜があり、その膜は中に微生物が入るのを防ぐ働きがあります。
家庭で洗ってしまうと、このクチクラを洗い流してしまうことになるのです。
気になる汚れがあれば、優しく拭き取る程度にしておきましょう。
ゴシゴシと擦ると、殻を傷つける原因になり、逆効果です。
まとめ
卵の食中毒で問題となる菌はサルモネラ菌です。
サルモネラ菌が紛れ込んでいる卵でも、新鮮であれば菌の数が少ないため問題はありません。
問題なのは卵の保存方法です。
卵を常温で保存してしまうと、サルモネラ菌にとって好条件となり、どんどん増殖していきます。
購入したら必ず冷蔵保存するようにしましょう。
また、殻を洗ってしまうと中に菌がしみ込んでしまうので、洗う必要はありません。
調理の際は充分に火を通す必要がありますが、半熟を楽しみたい場合には、調理してから2時間を目安に食べるようにしましょう。
食中毒の予防のためにも、卵についての正しい知識を知り、美味しくいただきたいですね。
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